234 幻のたまり醤油

たまり醤油の語源は、味噌を醸造する段階で「上澄み」として出てくる物が表面に
溜まり(たまり)、それがたまり醤油になります。
味噌造りの副産物として、たまり醤油ができあがるわけですが、現在この定義に
あてはまる、たまり醤油がなかなか手に入りません。

この、たまり醤油を口にすると驚かれると思いますが、赤みそは大豆と塩で
醸造されるので、上澄みに溜まると言っても、塩分が相当上に上がっていますから、
辛いのなんのと言って塩をなめているみたいです。
しかし、大豆のうまみでもあるコクもすごいですから、美味しい醤油だと思います。
醤油の原料はコクの大豆、香りの小麦を主原料にしていますから、
このたまり醤油の様に大豆100%だと調味料としてより、
食材として他の調味料と合わせることによって、美味しさが更に広がると思います。
例えば、照り焼きにたまり醤油を使われると一ランクも二ランクも上がった様な
感じにもなります。

名古屋に来られて、たまり醤油を下さいと言っても、「お刺身たまり」ですかと聞かれて、
原料はそれっぽいですが、上記の様に書いてある「たまり醤油」は手に入らないでしょう。
では、なぜ手に入らないのか?
たまり醤油を多く作る場合には、赤みそを絞らなくてはいけません。
すると赤みそでお金になりませんから、醤油で稼がなくてはいけなくなりますが、
醤油で何千円とまでは価格が付けられないので、販売量も確保できないのです。

しかし、入手場所が限られていますが、醸造所の直売所では手に入ります。
しかも一升瓶に入って00円から00円の価格ですから、
決して高い物ではないと思います。
あくまでも副産物として販売しているだけですから、高くもないのですが、
量もそんなに多くもないと言うことです。

ある醸造所に問い合わせたところ、取りに来てくれるのであれば「おわけ」しますが、
基本的には販売いたしていませんと言われます。
醤油の原料、ブレンド用にと他の醤油メーカーに全量販売してしまうそうです。
本当は、これを使って料理を作れば美味しいと思うが、生産量が少ないので
これだけと量が思うようにできず、市販はできないと言われます。
美味しいと言われるが、販売もできないとも言われるので、
ある意味で幻なのかもしれませんね。

日本酒の世界でも、「生酒」と言う物がありますが、
生搾りなどは蔵元にしかないお酒で、たまり醤油も同じ様なことかと思います。









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