204 試食の魔力

人の感覚は結構あやふやなものです。
全国を飛び歩いている試食の達人がいますが、試食と言ってもするほうではなくて、
させる方です。全国を試食しながら歩いているのもすごい話かと思いますが・・・

なぜ、この方が試食の達人なのかと言うと、やっぱり試食の量は半端ではなく
使いますが、それ以上に商品を売るという結果がすごいのです。
全国からひっぱりだこで、みなさんが指名するほどの実力者なのでしょう。
先日、お昼休みに話すことができましたから、
その秘密みたいなことを聞けたらなぁと思っていたら案外簡単な事なんだそうです。

まず、あんまり準備よろしく大量に作らないことです。
試食と言いますが、試食してもらうことより、いかに簡単に作り上げているのかを
感じてもらいたいのです。
気分的にはなんだか簡単そうねぇと思ってもらうことが肝心です。
できあがったらテキパキとみなさんに配る感じですね。
「この間(ま)」みたいな事が大切で待たせておいて、人を集めたら一気に配る。
そして、一人一人に手渡しながら、口に入れた人を見つけては「美味しいでしょう」と
間髪入れずに伝えるのです。
もちろん顔とか目を合わせながらです。美味しくないと思ったら顔が歪みますが、
普通の物を売っているのですから、こんな事にはなりません。
どちらでもないなぁと思っている人は、まるで催眠術にかかるように
「美味しいでしょう」の言葉にうなずかれます。
これほど人の感覚はあいまいなものなんでしょうね。
こんな時に声を出して「まずい」と言う人もいないでしょう。
決して商品の事は何も言いませんが、1人が商品を手に取ると
「今、見ていたでしょう。簡単なんだから」と言うだけで、
お客さんが1人でも手を出せば連鎖反応よろしく手が伸びて売ってしまうのです。
本当に試食のうまい人は物を売ろうとはしません。
この様に何を訴えたいのかをとても大切にしていると思います。
売れる売れないよりもプロセスや心理、気持ちに訴えるのが上手なんだと
教えていただきました。

この作戦を家庭ではできないでしょうか?
料理するときに多少演技も含めて、いつもの時間より多少時間を遅らせながら
調理します。
鼻歌の一つでも歌いながら「これは美味しそうにできそうねぇ」とか言って、
家族に聞こえるように調理します。みんなも少し時間をずらされ、
お腹が空いているのでしょう。
この様な状況にもってこられたら、半分以上は成功なのかもしれません。
盛りつけしながら「美味しいよぉ」と声に出し、
最初の一口目を食べたときに「美味しいでしょう」と顔を見ながらでも言ってみて下さい。
必ずやその言葉に引きずり込まれます。
そして、自分が食べていても「今日はうまくできたなぁ」とか言っていると。
だめ押しになるのでしょうか?
この事は試食の達人から伝授されたことですから、うまくいくと思いますよ。
毎回毎回やっているとわざとらしいと思われてしまいますが、
やったことがない家庭では確実に結果が出せるそうです。
家族の評価を待つ前に自分が楽しむことが、よりよい結果を生むのかもしれません。









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