116 いい物と美味しい物

いい物・おいしい物・金になる物・価値のある物・・・・
色々な表現方法がありますが、明確にこれはこれです。
と言う表現や受け止め方もないと思います。
遅ればせながら、この間の「和歌山オフ会」では多くのことを学びました。

簡単な話が、生産者の気持ちと消費者の気持ちでは、
相当なギャップがあるみたいです。
もちろん本質的に考えていることは同じ事だと思います。
でも、具体的に指針みたいなものを示すと結構ズレが生じていることに
気づきます。

和歌山は柑橘類の一大産地なのですが、みかん1つとっても生産する人によって
考え方や表現方法が色々あると知らされました。
栽培する段階で、このような感じですから、ここに流通業者や消費者まで
加われば、本当に何がいい物なのかわからなくなりそうです。
ただ、受け止める人も色々な考えを持った人がいますから、
世の中うまくいくのかと思っています。

ここに1つのみかんがあります。このみかんに対する思い入れとはなんでしょう。
「みかんは、ただ甘ければいいと言う物じゃない。糖と酸のバランスを考えて
コクを感じないとだめだ」
「他の人が味を出せないような時期に、うまいみかんを出す」
「生活していく上で経済行為として、生産している」
「自分では子どもと変わらないし、芸術品かとも思う」
「こうなったらこうしてと、シュミレーションをして生育を考えている」
この様な話は、私が感じたことですから、
この様に教えられたとは言い切れません。
ただ、栽培に関しては、この様な思いが自然と栽培や作物の最終的な形にも
影響してきます。

まだ、みかんを食べる時期には少し早かったのですが、食べてみて正直、
酸っぱいと思いました。
もちろん、この隠された味の中に甘みやうまみと言ったものも
栽培している人にはわかるようです。
今年は期待できるぞと言われても、経験がないゆえ
「ええ、そうなんですか」としか言えない状態なんです。
生育途中ですから、本番を迎える頃には誰が食べてもわかるような
状態になると思います。
まだまだ経験不足ゆえ、わかりませんでした。ごめんなさい。

色にしても、青いみかんは(青と表現するのは変ですが、みんな言いますね)
濃い緑色から段々と薄くなり、やがて少しづつでも黄色・オレンジ色にと
変化していきます。
この様な色の微妙な変化は並べて比べると、私でもわかりますが段々と目が
慣れてくると逆にわからなくなるのです。わかると思っていたら間違いなんです。
これで仕事をしている人の様にはなかなかできるものではありません。
ここまで来るのに何年もかかるのでしょうか?ぱっと行ってわかったら
すごいと思います。

素人考えで、美味しい物とはどんな物なんですかと聞くが、
これだけでも「おいしい物」の定義がバラバラなんです。
その生産者が考えるおいしい物とは何かを聞いてからの方がいいのかと
思えるほど、人それぞれの違いを感じます。

簡単な例には、さんまの腹わたは美味しいのでしょうか?
食べ慣れている人にしてみればさんまの腹わたを食べずして、
何を言っているのと言われます。
私は全然食べられません。でも、さんまは美味しいと思います。

勘違いするような話なのですが、魚のおいしいものを食べたいと海の近くに
遊びに行ったりすると、鯛やひらめ等高級魚が出され美味しい美味しいと
食べますが、この様な大きい魚は荷扱いも慎重にするし、
活けで消費地まで運びますから、本当は鮮度劣化やおいしさは
変わらないのです。
もちろん最善の努力をして運んだ物はです。
本当においしい魚を食べようと思ったら、東京の築地に行った方が
食べられるのだそうです。
けっして海のそばではありません。どうも雰囲気みたいな事です。

では、何を食べれば・・いわしやさばなんです。
これら大衆魚や青魚ほど時間との勝負なんです。
ぜひ、海のそばで食べるようであれば、この様な魚を食べて下さい。
違いに驚かれることもあるでしょう。

少し話がそれましたが、生産者の方は自分でよかれと思って栽培していることと、
現実には金になる様な商品を栽培しなければなりません。
このギャップが生産や流通を難しくしていることも要因なんです。
よくておいしい物、、、選択していけばわかります。
きれいなのと見栄えの劣る物はどちらを選択しますか?
美味しいのとまずいのでは、安いのと高いのでは、
揃っているのと揃っていないのでは、、本当にこんな選択ばかりしていて、
残るような物があるのでしょうか?

美味しいけど高いよ。美味しいけど見栄えが悪い。美味しいけど小さい。。。
自分が何を求めるのかを明確に考えていないと、
本当においしい物ってなかなか手に入らないと思いました。
味を最優先するのであれば、生産者がおいしいと言った物はおいしいのです。
後は何も言わない、、これくらいの度量がなくてはおいしい物は
食べられませんね。

いい物は別に簡単なことです、お金さえたっぷり払えば手にはいるでしょう。
1年中栽培を通して生産物とおつき合いしている生産者の方ですから、
自分たちがシーズンだけ食べるのとは訳が違います。
今はお金を出す消費者主体の消費国ですが、
もっと生産者の声を聞いてもいいのではと感じました。
もちろん生産者の方には情報をもっと発信して欲しいと願っています。









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