きしめんに思う


 家が貧乏だったのかと思うと、お父さんやお母さんに申し訳ないけど
 正確には「そんな時代だった」と思えてならない
 近所のうどん屋さんには、よく行ったと思うけど
 それが外食の初めであって、これくらいしかなかったと思う
 車で出かけたらドライブインが外食の場だったのかもしれない
 ドライブインではオムライスとかハンバーグ・海老フライなんかが
 外食の味だったし、子供ですから洋食にあこがれていたのかもしれません
 親は釜飯とか和風の物注文していたけど、私は興味ありませんでした
 銀の皿や御飯に刺さってい国旗、添えられてくるプリンや乳酸菌飲料
 おもちゃに興味ありましたから…
 まんまお子さまランチって、よくできたメニューだと思いました。

 それで近所のうどん屋さんで食べる時はメニューを見ても丼物と麺類しかなく
 後は、ビール・ジュース・コーラって書いてあったのかな
 ビジュアル的にもそっけない物が多く、具なんてほうれん草・ねぎ・かまぼこ・
 油揚げ・海老天ぷらくらいしかなく、麺類の単品にプラスすれば御飯程度の話
 今の様に小鉢がついたりサラダが付いたりなんか見たこともなかったです

 家族で食べに行くのだけど、まじで食べに行くだけの話で、食べたらさっさと
 帰ってくる場所でした
 長居している人なんて誰もいなかったですね

 子供はきしめんかうどんと決められていて(笑)
 天ぷらうどんなんて中学になるまで食べたことなかったです
 きしめんなんかは、ほうれん草と薄いかまぼこ、仕上げに花かつおを乗せて
 終わりって感じでシンプルな食べ物だと思っていました

 シンプルと言えば、名古屋のお雑煮もそうですけど、焼かない角餅と具に餅菜
 花かつおだけと、ほとんどきしめんに近い物があり、麺と餅の違いしかないの
 ではと思います。

 よく「きしめんの美味しい店は?」とか「おすすめの店はないですか?」と
 聞かれたりします。
 この質問を受けると、私はあらためて考え込んだりしています。
 「掻き込みきしめん」でも書きましたが、昔の「立ち食いそば」って知っている
 でしょうか?
 昔のって書くと、私も古い人間だなぁと暴露するみたいで嫌ですが、時代の
 狭間に生まれたなと感じます。

 仕事の忙しいサラリーマンが駅構内とかにあるうどん店で立ったまま
 うどんを食べている光景です。
 厨房ではお母さん二人くらいが働いていて、一人は会計と品出し、もう一人は
 茹でた麺を丼に入れて、上から汁かけて具を乗せるだけ
 この一連の作業を分刻みでこなしていきます。

 「小腹が空いたから食べていこうか」「食事が時間に取れなかったから、ここで
 食べていこうか」って感じで利用していました。
 人にもよりますが、私なんか美味しいとかまずいとか考えたりもしていません
 でした。
 自分の行動延長線上に、きしめんがあったから食べていたって感じです。

 だからか、名古屋の味ページを開設した当初などは、熱田神宮のきしめん店や
 新幹線ホームのきしめん店がおすすめかと思っています。
 結局、注文してから食べられるまでのスピード感や多くの人が食べている店が
 美味しい店だと思っているからです。

 ページ更新のために最近は色々な店で食べ歩きもしていますが、きしめんに
 大海老の天ぷらが乗ったり、色々な具をたくさん乗せて、高くなっていくきしめん
 を見ると、少し違うだろうと感じたりもします。

 関西圏の「すうどん」とか、四国の「ぶっかけ」みたいにきしめんもシンプルな
 食べ物で安いメニューだと私は思っています。

 「美味しいのは?」って質問に答えていない感じもしますが、このあたりを説明して
 「名古屋人の感覚です」って答えています。











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